夏川真奈です。
トランジットの冥王星が4月18日午後4時26分、
山羊座17度29分で留(ステーション)になり、ここから9月27日まで逆行します。
冥王星は、死と再生、冥界、宿命、革命等を司る天体です。
冥王星が逆行になると、冥王星が本来もつ強制性、隠される作用が薄れ、奥底に存在しているけれど、見えていないもしくは目を背けていた憎悪、執着心、情念、欲望など人間の業が表面に浮かび上がりそれらと向き合う時間になるでしょう。
そして、強制力が弱まるこのときは自分の人生にとってよくないと分かっていてもどうしようもなく執着して離れられなかった人間関係や悪癖、生活習慣や中毒などを断ち切り
執着から心を解放して人生を再生できるチャンスです。
社会の中では富と権力への欲望が絡み合った組織の腐敗、
著名人のそれまで隠されていた陰の部分が世間に知られることになるでしょう。
今回の冥王星の逆行で注目しているのはやはり世界の現役の首脳クラスの政治家や名だたる大企業、財界人などが租税回避地を使って巨額の税金逃れをしていたことを暴露した機密文書「パナマ文書」が漏えいした事件です。
2015年8月に匿名の人物からドイツの新聞社に文書が持ち込まれたことが今回の一連の事件の発端ですが、その頃もちょうどトランジットの冥王星が逆行していました。そしてパナマ文書に書かれていた企業や人物リストの一部がインターネット上で公開された今月4月3日は冥王星逆行の前兆が現れる時期に入っていたので、これまで隠されていた国際社会の富と権力の欲望という暗の部分が表面化する逆行冥王星の作用が現れているのでしょう。
また、パナマ文書の内容の調査には国際報道ジャーナリスト協会に所属する国境を超えた80か国107社の報道機関に所属する約400名の記者が携わっていることや、文書が漏えいしたのはインターネットのハッキングが原因と発表されていることなどは、牡羊座を通過中の天王星とのスクエアからうかがえます。
冥王星に続いて水星も逆行に入ってすぐの5月初旬にパナマ文書の完全版がインターネット上で公開されるそうなので以降に何らかの動きがありそうですね。
冥王星が山羊座を通過している2009年から2023年までの間は、
一部の富裕層だけが巨大な富と権力を独占している旧態依然とした社会構造や
閉鎖的な既得権益のシステムが崩れ次の時代に合った新しい価値観、社会システムが再構築されるときなのかもしれません。
そしてこれらの動きに大きな役割を果たしているのが
トランジットの冥王星が次に向かう先の水瓶座と支配星の天王星が象徴する自由主義のフラットな個の集まりやインターネットに代表される情報・通信テクノロジーであるのが興味深く感じます。